独文芸学研究 II(眞田收一郎)

通年  4 単位 前期課程 1 ・ 2 年 選択必須科目 研究・創作部門


■授業のねらい
 ドイツ文学の神髄というか、本質を多少なり知らせることを目的とする。


■指導方針
 上記の目標を達成するには、概論的な解説より、直接ゲーテやニーチェの作品にあたるのが、一番よいであろう。講義者の経験から、学生諸君がゲーテという古典的な存在より、ニーチェの存在の方が親しいであろう。そこで受講者の希望に応じて内容は変更するが、さしあたり今までやった授業内容を要約して、下記に述べておく。


授業及び指導計画
 『ツァラトゥストラ』に出てくる「超人」という概念を説明する。これは世間でいうスーパーマンではなく、人間の超越性を象徴する概念である。その超越性は、形而上的な超越や宗教的な超越ではない。内在的な超越を可能にする「力への意志」に起因する。この有名な「力への意志」をどう解釈するか。ハイデッカーはこれをヨーロッパ近代の意志的な自我の完成と見る。そしてこれを形而上学的な原理と見立てて、ニーチェをヨーロッパ近代形而上学の完成者と断定する。
 これに対して、「力への意志」は比喩的原理、仮説的な原理であって、固定化された形而上学的な絶対原理ではない、とする説がある。これにはオイゲン・フィンクやJ、スタック、B. マグヌスの『実存的な命令』がある。これらの解説者は「永却回帰」と「力への意志」を関連づけながら論証している。これらのことを論じるのに一年間はかかる。


■テキスト及びサブテキスト:哲学と詩の間にある『ツァラトゥストラ』、その解説書『善悪の彼岸』『道徳の系譜』『ニーチェ哲学の基礎』未知谷出版

■成績評価:出席と普段の授業態度の情況を見て評価する。